004年9月15日(水)(晴)〜16日(木)(晴)
ワシバダケ2924m ・ スイショウダケ2978m

 ■ 第1日目 新穂高温泉から三俣山荘へ
14日の夕方家を出て、新穂高温泉の登山者用無料駐車場に22時頃に着きました。8月なら満杯状態の駐車場も今日は5割程度です。(車で寝る)
15日5時40分、ロープウエー駅下のバス乗場を出発、橋を渡り林道を行く、林道歩きはつい頑張ってしまうけれど、今日は長い道のりである、長持ちが肝心と黙々と歩く、1時間で笠新道分岐、ワサビ平小屋に7時に到着、その間5〜6名の人が追い越していった、大きな荷物なのに軽い足取りである。
小屋のベンチで10分程休憩して出発、鏡平小屋までは先が長い、標準タイムで3時間20分とある、値切りたい所であるが誰も負けてはくれない、途中何回休憩しただろうか、ようやく鏡平の池に着いた(10:55)、3時間45分標準タイムより大分オーバーだがバテてはいない。
鏡平小屋の前のベンチで昼食することにした。天気は最高、景色も申し分なし、ビールでも飲みたい気分であるが、まだ早い。
食事をしているご夫婦に話しかけられ、今日はどこまでと聞かれ「双六小屋」と言ったところ、ご夫婦は三俣小屋まで行くとのこと、三俣山荘をベースにすると、鷲羽岳・水晶岳が簡単に日帰り出来るそうだ、実際に8月に来て鷲羽、水晶に登り、翌日黒部五郎岳の予定であったが台風で中止したので、今日改めて黒部五郎岳へ行くとの事。
1日予定を延ばすだけで、行きたい山の頂を2つも踏めるのは魅力のある話であるが、さてさてそれだけの体力があるか?
11時30分ご夫婦の出発の後を追って、とにかく双六小屋を目指す。
鏡平の池から、槍・穂高方面の展望、
西鎌尾根と槍ヶ岳
鏡平山荘から双六小屋までは、標準タイム2時間、まずは弓折岳の登りから始まる、真っ青な空に、槍、穂高の山々が美しい、9月も半ばになったので、真夏の太陽よりは幾分やさしくなったのだろうが、木陰の無い尾根道登りはやはりつらい、弓折岳分岐に着いたが、頂上ピストンはパス、双六小屋へと急ぐ、13時40分双六小屋に到着。
今日、このままここで泊ってしまうのも惜しい気がする、ご夫妻に教えてもらった巻道コースを行けば三俣山荘まで2時間少々とのこと、黒部五郎へ行くにしても、水晶へ行くにしても三俣山荘まで足を延ばしておいた方が明日の行程は楽なので、思い切って三俣山荘まで行くことにした。
13時55分山荘の横手から双六岳へ向けての登りが始まる、しばらくで巻道コースの標識に着く。
持参したガイドブックのコピーには、巻道コースのことは点線があるだけで、ほとんど書かれていなかったので少々不安であったが、「三俣山荘巻道」の立派な標識と道跡もしっかりしていそうなのでまずは安心、思いもしなかった鷲羽、水晶への可能性を胸に秘めながら歩く。
少しガスと風も出てきてしのぎやすい、足取りも軽く、とは言えないが、まあまあ順調である、2時間弱で三俣蓮華岳分岐に着く、あとは山荘までの下りである。
巻道コースの途中から見た、鷲羽岳(中央)ワリモ岳(左)水晶岳(さらに左)
4時30分無事三俣山荘へ到着する事が出来ました。
宿泊の申込をして一泊2食8500円を払い、缶ビールも大きい方を買いました。
外のベンチでゆっくりと景色を眺めながら飲むビールは最高の味です、まだ一つも山へは登っていないのに、すごく充実した気分です、少し小使いをもらってきたので、1日や2日小屋泊りが増えても大丈夫です、目の前の鷲羽岳を眺め、明日の予定はほぼ決定しました。

夜の談話室で皆さんの話を聞いていると、猛者揃い、ただただ拝聴しているだけですが、北アルプスはもちろん、各地の山々の話が飛び出し、耳であちこちの山へ登った気分です。
明日の天気は晴れの予報のせいか、皆さんも機嫌が良さそうです。
 ■ 第2日目  三俣山荘から鷲羽岳、水晶岳、黒部五郎小屋へ
山小屋の朝食は5時30分からです、最近の山小屋の食事はとても美味しいです、6時に出発しました、まもなく昨日林道をしばらく一緒に歩いた、Yさんが追いついきて、「三俣山荘までとはガンバリましたね」と声をかけてくれ、水晶岳まで一緒に行きましょうと誘ってくれました。
実はこのコース地図は持っていなかったのと、朝の涼しい中なら、なんとかついて行けるかと思い一緒に行くことにしました、もちろんYさんは少しピッチを落としてくれたのでしょう、途中チョッと口を潤す程度休憩をしただけで、7時15分に鷲羽岳頂上に着きました。
鷲羽岳頂上から見る、笠ヶ岳(右)正面奥は乗鞍、御岳でしょう
頂上で10分少々休憩してワリモ岳へ向かう、Yさんの下りは早いと言うか、私の下りが遅いのである、このところ下りはスローペースであるが、今日はチョッと頑張ってみた、ワリモ頂上を通過しワリモ分岐で休憩(8:10)、ここにザックをデポして、水晶岳へ向かう、私はサブザックの持ち合わせがないので、水と食料少々は,Yさんのザックに入れてもらい、私は空身である、水晶小屋には8時45分着、(小屋は小さですね)
小屋の前のベンチで チョッと休憩して水晶岳へ向かう。
水晶岳着9時20分、極めて順調なペースである。
頂上からは、明日の予定の黒部五郎岳や薬師岳、雲ノ平方面、黒四ダム、裏銀座コースの大きな野口五郎岳が見え、遠くには富士山や、噴火中の浅間山の噴煙がよく見えた。
頂上で15分程休憩してから、水晶小屋へ戻り、さらにザックをデポしたワリモ分岐へ戻る(10:30)。
水晶岳から見た、黒部五郎岳と雲ノ平方面
Yさんは、ここから祖父岳を経て雲ノ平へ下り、薬師沢から太郎平から、薬師岳へと向かうそうである。
私も岩苔乗越まで一緒に下り、お互いに住所を教え合い、今日の同行の御礼を言って別れました。(10:45)

ここからは、また一人旅、三俣山荘への巻道のつもりで下り始めたのですが、沢をドンドン下って行きます、歩きにくい岩の道でピッチは一挙に落ちました、この辺りは岩間から水が湧き出していて源流最奥の観です、冷たい水を時々口に含んでみたりしました、さらに下り、沢の水量が大分多くなった頃、雲ノ平分岐に着きました。(11:30)
雲ノ平分岐近くから望む三俣蓮華岳
次は登りです、陽射にやられ三俣山荘まで持ちそうにないので、途中で大休憩して昼食を食べました。三俣山荘着12時30分、朝方の貯金があるので時間的には問題ありません。
13時三俣山荘を出発して、黒部五郎小屋へ向かいました、2時5分三俣蓮華岳分岐、しばらくゆるやかな稜線を歩いたあと、急坂の下りが続きます、反対に黒部五郎岳がドンドン高くなります、天気が危ぶまれるような雲が出てきました。小屋は何所かと探すけれど見当たりません、ようやく真下に小屋の屋根が見えました、疲れた足は力がないので慎重に一歩一歩下り、3時25分ようやく黒部五郎小屋に到着しました。
小屋に着いてしまえば、くたびれた体も忘れたかのように元気を取り戻します、お茶や水は飲んでいますが、がぶ飲みはしていません、まずはビールです、喉にこたえます。昨日双六山荘で会った、名古屋の人が外のテーブルで機嫌よくやっています、私もテーブルに掛けさせてもらい、ビールの後はウイスキーの水割り、単独の女性よりウインナ−の差し入れがあり、さらに盛り上がる。
明日の天気が崩れるのも知らないで、・・・

この日の黒部五郎小屋の宿泊者は16人、部屋も広く使えたし、なんと言っても食事が美味しかった。


  
  第3日目、黒部五郎岳へ

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